三島有紀子監督「幼な子われらに生まれ」をよみうりホール試写会で見た。

正直、本作品、荒井晴彦さんのシナリオということで期待した。

なんでも三島監督が別な作品のシナリオを荒井氏頼みに行ったら、本作品のシナリオを渡されて、映画化したとか…それにしては物語全体にドカッと来るエネルギーが感じられない。

それはおそらく主役の浅野忠信のキャスティング失敗にあると思う。どう見ても彼が子連れ相手の女性と再婚し、自分にも同じ年頃の娘がいるという父親に見えないのだ。

それに加えてのリストラ対象としての不安定な会社での立ち位置も後半は薄くなり、危機感が全く見えない。というか、ああいう会社内での立場ならリストラ対象になっても仕方ないと思える人物。父親としての自覚が薄い気がしてならないキャラクターである。それが狙いとするならば、とても共感できる人物。主役像ではない。

とにかく他の配役もみな影が薄い、というか、あまりにも各自の個性を出し過ぎていてドングリの背比べ的な存在感になっている。

また子供が皆、女子というのも物語に平坦さを与えている。生まれてくるのは男だが…

原作は読んでいないので、どの辺が荒井氏の脚色なのか、解らないが、原作に忠実というのなら、原作が悪いとしか言いようがない。

これまで重松氏原作の「恋妻家宮本」「アゲイン 28年目の甲子園」など、何本か見たが、どれも僕はイマイチ感があったので、脚色や演出云々の前に原作者、重松氏との相性の問題かもしれない、と思った作品でした。